失業保険(雇用保険の基本手当)を受給しながらアルバイトをすることは可能です。ただし、申告を忘れると不正受給に該当するリスクがあるため、正しいルールを知っておくことが大切です。
この記事では、失業保険の受給中にアルバイトをする際の条件や申告方法、減額されない働き方のコツを詳しく解説します。生活費の足しにアルバイトを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

失業保険の受給中にアルバイトはできる?基本ルール
結論から言うと、失業保険の受給中でもアルバイトは可能です。ただし、以下のルールを守る必要があります。
- 待機期間(7日間)はアルバイト禁止
- 1日の労働時間が4時間以上の場合は「就労」扱い(その日の基本手当は不支給、後日に繰り越し)
- 1日の労働時間が4時間未満の場合は「内職・手伝い」扱い(収入額に応じて減額の可能性あり)
- 週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある場合は「就職」とみなされ、失業保険の受給資格を失う
- 待機7日間はアルバイト禁止
- 1日4時間以上の就労はその日の手当が繰り越し
- 1日4時間未満は収入額に応じて減額される場合がある
- 週20時間以上+31日以上の雇用は「就職」扱いになる
アルバイト収入で失業保険が減額されないための条件
1日4時間未満のアルバイトをした場合、収入額によっては基本手当が減額されることがあります。減額されないための条件は以下のとおりです。
アルバイトで得た収入の日額から控除額(記事執筆時点で1,391円)を引いた金額と、基本手当日額を合算した額が「賃金日額の80%」以内であれば、基本手当は全額支給されます。
計算の考え方
(アルバイト収入の日額 − 控除額)+ 基本手当日額 ≦ 賃金日額 × 80%
この式を満たしていれば減額はありません。つまり、少額のアルバイト収入であれば基本手当は全額もらえるということです。ただし、控除額は定期的に見直されるため、最新の金額はハローワークで確認しましょう。
自分のケースで当てはめるときは、受給資格者証に書かれた基本手当日額と賃金日額を見ながら、電卓で一度計算してみると上限の目安がつかみやすくなります。

アルバイトの申告方法
失業保険の受給中にアルバイトをした場合は、失業認定日にハローワークへ正確に申告する義務があります。申告は「失業認定申告書」に記入して行います。
申告書に記入する内容
- アルバイトをした日付
- 1日あたりの労働時間(4時間以上か未満か)
- アルバイトで得た収入額
- アルバイト先の名称
申告を忘れた場合のリスク
アルバイトの事実を申告しなかった場合、不正受給として厳しいペナルティが科されます。具体的には、不正に受給した金額の返還に加えて、その2倍の金額を納付する「3倍返し」の処分を受ける可能性があります。たとえ少額のアルバイトでも、申告は必ず行いましょう(参考:doda 失業手当受給中にアルバイトはできる?)。
「バレないだろう」と思っても、雇用保険のデータや税務署の情報から発覚するケースは少なくありません。不正受給が発覚すると、以後の失業保険の受給も停止されます。
給付制限期間中のアルバイトについて
自己都合退職の場合に設けられる給付制限期間中は、アルバイトをすることが可能です。なお、2025年4月の雇用保険法改正により、自己都合退職の給付制限期間は原則2ヶ月から1ヶ月に短縮されています(5年以内に2回以上自己都合退職した場合は3ヶ月)。この期間は失業保険が支給されていないため、アルバイト収入による減額や不支給の心配はありません。
ただし、給付制限期間中であっても週20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる仕事に就くと「就職」とみなされるため、注意が必要です。短期・単発のアルバイトにとどめておくのが安心です。
失業保険を減額されずにアルバイトするコツ
1. 短時間・単発のアルバイトを選ぶ
1日4時間未満の短時間アルバイトであれば、収入額次第で基本手当は全額支給されます。また、単発(日雇い)のアルバイトであれば週20時間を超えにくいため、「就職」とみなされるリスクも低くなります。
2. 収入の上限を把握しておく
自分の基本手当日額と賃金日額から、減額されない上限額を事前に計算しておきましょう。わからない場合はハローワークの窓口で相談すれば教えてもらえます。
3. 認定日前にアルバイト実績を整理する
認定日に正確に申告できるよう、アルバイトした日付・時間・収入額をメモしておくと安心です。申告漏れを防ぐためにも、記録を習慣にしましょう。
日付ごとに書き込める手帳を1冊用意して、働いた時間と金額をその日のうちに書いておくと、認定日前に慌てて思い出す必要がなくなります。

失業保険受給中のアルバイトでよくあるトラブルと対策
トラブル1:申告漏れで不正受給の通知が届いた
「少額だから申告しなくても大丈夫だろう」と思ってアルバイトの申告を怠ると、後から不正受給の通知が届くことがあります。雇用保険のデータと税務署の情報は紐づいているため、バレないと思っても発覚する可能性は高いです。どんなに少額のアルバイトでも申告は必ず行いましょう。
トラブル2:アルバイト先で雇用保険に加入させられた
週20時間以上のアルバイトで31日以上の雇用が見込まれる場合、アルバイト先が雇用保険への加入手続きを行うことがあります。この場合は「就職」扱いとなり、失業保険の受給が止まります。アルバイトを始める前に、雇用契約の内容と週の労働時間を確認しておくことが大切です。
トラブル3:認定日にアルバイトが入ってしまった
ハローワークの認定日にアルバイトのシフトが入ってしまうと、失業認定が受けられず、その期間の基本手当が支給されません。認定日は変更できない場合が多いため、認定日のスケジュールを最優先にするようにしましょう。アルバイト先には事前に認定日を伝えておくのがおすすめです。
トラブル4:日雇いバイトの申告を忘れた
単発の日雇いバイトであっても、収入があれば申告が必要です。日雇いバイトは記録が残りにくいため、自分で日付・時間・金額をメモしておく習慣をつけましょう。スマートフォンのメモアプリやカレンダーに記録しておくと便利です。
トラブル5:在宅ワークの収入を申告し忘れた
在宅でのデータ入力やライティングなど、在宅ワークの収入も申告対象です。自宅で行う作業だと「これはバイトに該当するのか」と判断に迷うこともありますが、報酬が発生する作業であれば申告が必要です。確信が持てない場合はハローワークに確認しましょう。
よくある質問Q&A
Q. クラウドソーシングやフリマアプリの収入も申告が必要?
はい、クラウドソーシングやフリマアプリなどで得た収入も申告の対象です。「内職・手伝い」として申告する必要があります。金額や頻度によっては「就労」や「就職」と判断されることもあるため、ハローワークに確認しておきましょう。
Q. ボランティアは申告が必要?
無報酬のボランティア活動であれば申告の必要はありませんが、交通費や謝礼を受け取った場合は申告が必要になるケースがあります。不安な場合はハローワークに相談しましょう。
Q. アルバイトで「就職」扱いになったらどうなる?
週20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれるアルバイトに就いた場合は「就職」扱いとなり、失業保険の受給は終了します。ただし、条件を満たせば再就職手当を受け取れる場合があります(参考:マイナビ転職 失業保険受給中にアルバイトしても大丈夫?)。

まとめ
失業保険の受給中でもアルバイトは可能ですが、申告義務を守ることが大前提です。1日4時間以上の就労はその日の基本手当が繰り越しになり、4時間未満の場合は収入額に応じて減額される場合があります。
減額されないためには、自分の賃金日額と基本手当日額から上限を把握し、短時間・単発のアルバイトを選ぶのがコツです。アルバイトの事実は必ず認定日に申告し、不正受給のリスクを避けましょう。
不明な点があれば、遠慮なくハローワークの窓口で相談してみましょう。職員が個別の状況に応じたアドバイスをしてくれます。
失業保険受給中のアルバイトで知っておきたい税金の話
失業保険の基本手当自体は非課税で、所得税や住民税の対象にはなりません。しかし、アルバイトで得た収入は課税対象です。年間の給与収入が一定額(令和8年分は給与収入のみで178万円)を超えると所得税が発生する可能性があるため、アルバイト収入が多い場合は確定申告が必要になることもあります。
また、アルバイト先で源泉徴収されている場合は、確定申告をすれば払いすぎた税金が還付されるケースもあるため、年間の収入を把握しておくことが大切です。
失業保険の受給条件全般については、失業保険の受給条件と申請のやり方の記事もあわせてチェックしてみてください。


