退職した後に「失業保険ってどうやったらもらえるの?」と不安になる方は多いです。正式名称は雇用保険の基本手当で、一定の条件を満たせば退職後にお金を受け取りながら求職活動ができる制度です。
この記事では、失業保険の受給条件からハローワークでの具体的な申請手順、必要な持ち物まで、退職後にやるべきことを一つずつ解説していきます。「自分はもらえるのかな?」「何をすればいいの?」という疑問をまるっと解消できる内容になっているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

失業保険(雇用保険の基本手当)とは?
失業保険とは、雇用保険に加入していた方が退職した後、次の仕事が見つかるまでの間に生活を支えるために支給される手当のことです。正式には「雇用保険の基本手当」と呼ばれています。
この制度は、ただお金がもらえるだけではなく、ハローワークを通じた求職活動のサポートとセットになっています。つまり「仕事を探す意思がある人」に対して支給されるお金なので、退職して何もしないままでは受け取れません。
失業保険を受け取れる期間は、退職理由や雇用保険の加入期間によって異なりますが、90日から最大330日まで設定されています。
失業保険を受給するための3つの条件
失業保険を受け取るには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。一つでも欠けていると受給できないので、しっかり確認しておきましょう。
条件1:雇用保険の加入期間が一定以上あること
退職理由によって必要な加入期間が変わります。
- 自己都合退職の場合:離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上
- 会社都合退職(倒産・解雇など)の場合:離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算6ヶ月以上
ここでいう「被保険者期間」とは、雇用保険に加入していた月のうち、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月のことです。パートやアルバイトでも、週20時間以上働いていれば雇用保険に加入しているケースが多いです。
条件2:ハローワークが認める「失業の状態」であること
失業保険でいう「失業」とは、「働く意思と能力があるにもかかわらず、就職できていない状態」を指します。以下のような場合は失業状態とは認められません。
- 病気やケガですぐに働けない場合(受給期間の延長が可能)
- 妊娠・出産・育児で当面働けない場合(同じく延長が可能)
- 退職後すぐに次の仕事に就くことが決まっている場合
- 家事に専念する、しばらく休養するなど就職の意思がない場合
条件3:積極的に求職活動を行うこと
ハローワークに求職の申込みをして、認定日ごとに求職活動の実績を報告する必要があります。具体的には、認定期間中に原則2回以上の求職活動実績が必要です。
求職活動として認められるのは、求人への応募、ハローワークが実施するセミナーへの参加、転職エージェントとの面談などです。単に求人情報をネットで見ただけでは求職活動にカウントされない点に注意してください。

失業保険の申請手順|ハローワークでの手続きの流れ
ここからは、退職してから失業保険を受け取るまでの具体的なステップを順番に解説します。
ステップ1:会社から離職票を受け取る
退職後、通常10日〜2週間ほどで前の会社から「離職票-1」「離職票-2」の2枚が届きます。この書類がないとハローワークで手続きが進められないので、届かない場合は会社に催促しましょう。
退職代行を使って辞めた場合でも離職票は発行されます。届くまでに時間がかかるケースもありますが、届かない場合はハローワークから会社に催促してもらうことも可能です。
ステップ2:ハローワークで求職申込み+受給資格決定
離職票が届いたら、住所地を管轄するハローワークに行って手続きをします。持ち物は以下のとおりです。
ハローワークに持っていくもの
- 離職票-1、離職票-2
- マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
- 写真2枚(縦3cm×横2.4cm)※マイナンバーカードがあれば不要
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 印鑑(認印でOK)
ステップ3:7日間の待期期間
受給資格が決定した日から7日間は「待期期間」といって、退職理由に関係なく全員が待つ期間です。この間はアルバイトもできません。
ステップ4:雇用保険受給説明会に参加
待期期間が終わった後、ハローワークが開催する受給説明会に参加します。ここで「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取り、今後のスケジュールが伝えられます。
ステップ5:認定日にハローワークへ行く
原則として4週間に1回の「認定日」にハローワークへ出向き、求職活動の実績を報告します。認定されると、その認定期間分の基本手当が指定口座に振り込まれます。振り込みは認定日から約1週間後です。
自己都合退職と会社都合退職で何が変わる?
失業保険の手続き自体は同じですが、退職理由によって「いつから」「どのくらいの期間」もらえるかが大きく変わります。
給付制限の違い
自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて原則1ヶ月の給付制限期間があります。この改正は2025年4月に行われたもので、それ以前は2ヶ月(場合によっては3ヶ月)の給付制限がありました。
会社都合退職の場合は、7日間の待期期間が終わればすぐに給付が始まります。
なお、5年以内に3回以上自己都合で退職した場合は、給付制限が3ヶ月になるケースがあります。また、離職日前1年以内に厚生労働省が定める教育訓練を受講していた場合は、自己都合退職でも給付制限が免除される特例もあります。
給付日数の違い
自己都合退職の場合、給付日数は雇用保険の加入期間に応じて90日〜150日です。会社都合退職の場合は、年齢と加入期間に応じて90日〜330日と手厚く設定されています。

失業保険の受給でよくある質問Q&A
Q. パートやアルバイトでも失業保険はもらえる?
週20時間以上の勤務で雇用保険に加入していれば、パートやアルバイトでも受給できます。雇用保険に加入していたかどうかは、給与明細の「雇用保険料」の控除欄で確認できます。
Q. 退職代行を使って辞めた場合でも受給できる?
退職代行を利用して退職した場合でも、失業保険の受給には何の影響もありません。退職代行は退職の意思を伝える手段であり、退職理由そのものではないからです。離職票の退職理由欄に「退職代行を使った」と記載されることもありません。
Q. 離職票が届かない場合はどうする?
通常、退職後10日〜2週間で届きます。届かない場合は、まず会社に問い合わせましょう。それでも届かない場合は、ハローワークに相談すれば会社への催促や、離職票がなくても仮手続きを進めてもらえるケースがあります。
Q. 受給期間中に引っ越した場合は?
引っ越し先を管轄するハローワークに転入届を出せば、引き続き受給できます。認定日のスケジュールが変わることがあるので、引っ越しが決まったら早めに相談しましょう。
Q. 受給中にアルバイトはできる?
条件付きでアルバイトは可能です。ただし、認定日にハローワークへ申告する必要があります。申告せずに働くと不正受給となり、受け取った額の3倍を返還するペナルティが課される場合があります。詳しい条件は別記事で解説しています。
失業保険を確実に受け取るための注意点
- 受給期間は原則1年間:退職日の翌日から1年以内に手続きを終え、受給を完了する必要があります。手続きが遅れると、もらえるはずの給付を全額受け取れない可能性があります。
- 認定日には出席する:やむを得ない理由(病気や面接など)がない限り、認定日にハローワークに行かないとその期間の手当は支給されません。
- 不正受給は厳しいペナルティ:アルバイトや就職を隠して受給すると、支給額の返還に加えて2倍の金額を追加で納付する必要があります。
失業保険は退職後の生活を支える大切なセーフティネットです。手続きは決して難しくないので、退職が決まったら早めに準備を始めておくと安心です。

まとめ
失業保険(雇用保険の基本手当)は、退職後の生活を支えてくれる心強い制度です。受給するための条件は「雇用保険の加入期間」「失業の状態」「求職活動の意思」の3つです。
手続きの流れは「離職票を受け取る→ハローワークで求職申込み→待期期間→説明会→認定日」というステップで進みます。2025年4月の改正によって自己都合退職の給付制限が1ヶ月に短縮されたため、以前よりも早く受給を開始できるようになっています。
退職後の不安を少しでも減らすために、失業保険の仕組みを理解しておくことはとても大切です。退職が決まったら、離職票が届き次第、速やかにハローワークへ足を運びましょう。
参考:厚生労働省 雇用保険制度


