退職代行で会社を辞めた後、「保険証はどうやって返せばいいの?」と悩む方は少なくありません。退職代行を使ったのに保険証を返すために会社に行かなければならないのでは、と心配になりますよね。
安心してください。保険証は郵送で返却できます。出社する必要はまったくありません。この記事では、退職代行利用後の保険証の返却方法、郵送の手順、そして退職後の健康保険の切り替え方法まで、一通り解説していきます。

退職代行を使っても保険証は自分で返却する
退職代行サービスは会社への退職の意思伝達を代行してくれますが、保険証の返却そのものは退職者本人が行う必要があります。退職代行業者が保険証を預かって代わりに届けてくれるわけではありません。
ただし、退職代行が会社に連絡する際に「保険証は後日郵送で返却します」と伝えてくれるので、自分で会社に連絡する手間は省けます。あとは指定の方法で郵送するだけです。
保険証は退職日の翌日から無効になるため、退職日以降は使用しないでください。退職日以降に使ってしまうと、後日医療費の返還を求められることがあります。
保険証を郵送で返却する手順【5ステップ】
保険証の郵送返却は難しくありません。以下の手順に沿って進めましょう。
ステップ1:返却先を確認する
保険証の返却先は、一般的に会社の人事部や総務部です。退職代行が会社に連絡する際に返却先の住所を確認してくれるので、その情報をもとに郵送の準備をします。
ステップ2:添え状を作成する
保険証を郵送する際は、簡単な添え状を同封するのがマナーです。添え状には以下の内容を記載しましょう。
- 日付
- 宛先(会社名・部署名・担当者名)
- 差出人の氏名
- 「健康保険証を返却いたします」という旨の文章
- 返却物の品名と枚数
ステップ3:保険証を封筒に入れる
保険証と添え状を封筒に入れます。保険証は個人情報が記載されたものなので、中身が見えない封筒を使うようにしましょう。扶養家族分の保険証がある場合は、まとめて返却します。
ステップ4:追跡可能な方法で郵送する
簡易書留やレターパックなど、追跡番号が付く方法で送るのがおすすめです。保険証は重要な書類なので、普通郵便で送ると届いたかどうかの確認が取れず、トラブルの原因になります。簡易書留の料金は350円程度(郵便料金に加算)です。
ステップ5:退職代行に発送完了を報告する
発送したら、退職代行にも連絡しておくと安心です。追跡番号を共有しておけば、万が一会社から「届いていない」と言われた際にも対応できます。
- 保険証の返却期限の目安は退職日の翌日から5日以内
- 簡易書留やレターパックで送ること
- 添え状を同封するのがマナー
- 扶養家族分も忘れずにまとめて返却する
- 発送したら追跡番号を控えておく
退職後の健康保険の選択肢は3つ
保険証を返却したら、退職後の健康保険の手続きを進める必要があります。選択肢は主に3つあります。
選択肢1:国民健康保険に加入する
退職後14日以内に、住所地の市区町村役場で国民健康保険の加入手続きを行います。退職日の翌日から保険の空白期間が生じないように早めに手続きしましょう。手続きには離職票や資格喪失証明書が必要になるため、会社から届くのを待つか、届かない場合は退職代行を通じて催促します。
選択肢2:任意継続被保険者になる
退職前の健康保険を最大2年間継続できる制度です。退職日の翌日から20日以内に、加入していた健康保険組合(協会けんぽなど)に申請する必要があります。保険料は会社負担分も含めて全額自己負担になりますが、扶養家族が多い場合は国民健康保険より安くなることがあります。
選択肢3:家族の扶養に入る
配偶者や親族が会社員や公務員で、自分の年収が一定基準(年収130万円未満が目安)以下であれば、家族の健康保険の扶養に入ることも可能です。保険料の自己負担がゼロになるため、条件に当てはまるならもっとも経済的な選択肢です。

保険証の返却が遅れた場合のリスク
保険証の返却が遅れると、以下のようなリスクがあります。早めの返却を心がけましょう。
会社側の手続きが滞る
会社は退職者の保険証を回収した上で健康保険の資格喪失届をハローワークや健康保険組合に提出します。保険証が届かないと手続きが進まず、結果として離職票の発行も遅れる可能性があります。
無効な保険証を使ってしまうリスク
退職日以降に無効な保険証で受診した場合、後日保険者から医療費の返還を求められます。自分では気づかずに使ってしまうケースもあるため、退職日を過ぎたら速やかに返却しましょう。
新しい保険への切り替えがスムーズに進まない
国民健康保険への切り替えには「健康保険の資格喪失証明書」が必要です。保険証の返却が遅れると、この証明書の発行も遅れることがあります。
- 退職日以降に保険証を使うと医療費の返還を求められる
- 返却が遅れると離職票の発行も遅れる可能性がある
- 早めの返却が退職後の各種手続きをスムーズにする
保険証を紛失してしまった場合の対処法
保険証を無くしてしまった場合は、退職代行を通じて会社にその旨を伝えてもらいましょう。保険証の紛失は珍しいことではないので、正直に伝えれば対応してもらえます。
会社側は「健康保険被保険者証回収不能届」を健康保険組合や協会けんぽに提出する形で対応します。紛失したからといって退職手続きが進まないということはありませんので安心してください。
ただし、紛失した保険証が悪用されるリスクがあるため、警察に遺失届を出しておくことをおすすめします。
Q&Aコーナー
Q. 保険証のコピーを残しておいた方がいい?
返却前に保険証の表面と裏面をコピーまたは写真に撮っておくと便利です。保険証に記載されている保険者番号や記号・番号は、国民健康保険への切り替え手続きや確定申告の際に必要になることがあります。原本は返却しなければならないので、情報だけは控えておきましょう。
Q. 退職日の当日にまだ病院に行く用事がある場合は?
退職日当日までは保険証は有効です。退職日に受診する予定がある場合は、受診を済ませてから保険証を返却する準備に取りかかりましょう。ただし、退職日の翌日以降は無効になるため、翌日以降の予約がある場合は新しい保険証が届いてから受診するか、一旦全額自己負担で受診して後日精算する形になります。
Q. 家族の扶養に入る場合、いつ手続きすればいい?
扶養に入る場合は、家族の勤務先に早めに相談してもらうのが大切です。退職前から事前に家族に伝えておき、退職日が確定したらすぐに手続きを開始するのが理想的です。手続きには退職証明書や離職票が必要になることが多いため、必要書類を退職代行を通じて会社に請求しておきましょう。
Q. マイナンバーカードを保険証として使っている場合は?
マイナンバーカードを健康保険証として利用(マイナ保険証)している場合でも、退職に伴う資格喪失の手続きは必要です。従来のカード型保険証が手元にある場合は返却しましょう。マイナ保険証の場合、資格情報は自動的に無効になりますが、新しい健康保険への加入手続きは同様に必要です。

Q. 保険証を返却せずに放置するとどうなる?
保険証を返却しないまま放置していると、会社側の手続きが進まないだけでなく、会社から督促の連絡が来ることがあります。退職代行を利用していてもこの点は変わりません。最悪の場合、会社が保険者に「被保険者証未回収」として届け出を行い、保険証が無効であることが正式に記録されます。不要なトラブルを避けるためにも、退職したら速やかに返却するのが賢明です。
Q. 退職後に保険証がない期間はどうすればいい?
保険証を返却してから新しい保険証が届くまでの間に病院にかかる必要がある場合は、窓口で「保険証の切り替え手続き中です」と伝えましょう。一旦全額(10割)を自己負担で支払い、新しい保険証が届いた後に保険者に申請すれば、差額の7割分が戻ってきます。緊急でない場合は新しい保険証が届いてから受診するのが安心です。
Q. 国民健康保険と任意継続、どちらが安い?
これは退職前の収入や扶養家族の有無によって変わります。一般的には、退職前の年収が高い場合は任意継続の方が安くなる傾向があります。一方、扶養家族がいない単身者の場合は国民健康保険の方が安いケースもあります。正確な金額を比較するには、住所地の市区町村役場で国民健康保険料の概算を聞き、協会けんぽや健康保険組合に任意継続の保険料を確認して比較するのがおすすめです。
まとめ
退職代行を使った後の保険証は、簡易書留やレターパックで会社に郵送すればOKです。出社する必要はまったくありません。退職代行が会社に「後日郵送します」と伝えてくれるので、あとは自分で郵送の手配をするだけです。
返却のタイミングは退職日の翌日からなるべく早く(5日以内が目安)がベストです。返却が遅れると離職票の発行や新しい保険への切り替えに影響するため、後回しにせず早めに対応しましょう。
退職後の健康保険は「国民健康保険」「任意継続」「家族の扶養」の3つの選択肢から、自分の状況に合ったものを選んでください。保険の空白期間を作らないよう、退職後すぐに手続きを進めることが大切です。
退職後の保険手続きは、退職のストレスで後回しにしがちですが、健康保険の空白期間を作ると万が一のときに大きな負担になります。退職代行の利用と合わせて、保険証の返却と新しい保険への切り替えもセットで済ませてしまいましょう。わからないことがあれば退職代行のスタッフに聞けば丁寧に教えてくれるので、気軽に相談してみてください。


