退職を決意しながら転職活動も同時に進めるのは、なかなかハードなもの。「在職中に転職活動してもいいの?」「バレたらどうしよう」と不安を感じている方も多いのではないだろうか。
結論から言えば、在職中に転職活動を行うこと自体は何の問題もない。むしろ、収入を維持しながら次の仕事を探せるため、経済的にも精神的にも安定した状態で活動できるというメリットがある。
この記事では、退職と転職活動を同時に進める具体的な方法、時間の使い方、そして注意すべきポイントについて詳しく解説していく。

在職中に転職活動を始めるべき理由
退職してから転職活動を始める方法と比較して、在職中に始めるメリットは多い。
- 収入が途切れない:貯金を切り崩す心配がないため、じっくりと納得のいく転職先を選べる
- ブランク期間ができない:履歴書に空白期間が生まれないため、面接での説明も不要
- 焦りが生まれにくい:「早く決めなければ」というプレッシャーがないため、条件に妥協しにくい
- 交渉力が高い:現職の給与を基準に年収交渉ができるため、条件面で有利に進めやすい
一方で、時間の制約が大きいというデメリットもある。平日の日中に面接が入ると対応が難しいため、有給休暇の活用やオンライン面接の調整が欠かせない。
転職活動のスケジュールと進め方
在職中の転職活動は、一般的に3ヶ月から6ヶ月程度かかると言われている。大まかなスケジュールを把握しておこう。
第1段階(1〜2週間):自己分析と方向性の決定
まずは自分のキャリアの棚卸しをしよう。これまでの経験やスキル、やりたいこと、転職で叶えたい条件を明確にしておくことで、求人選びの軸がブレなくなる。
転職の理由を整理する際は、「今の会社の不満」だけでなく「次の会社で実現したいこと」にフォーカスすると、面接でも説得力のある回答ができるようになる。
棚卸しした内容は、そのまま職務経歴書の材料になる。書き方の本を1冊手元に置いておくと、経験をどう書けば伝わるかの見本にしやすい。
第2段階(2〜4週間):情報収集と応募
ハローワークや転職サイト、転職エージェントに登録して、気になる求人をピックアップしていく。同時に複数の企業に応募するのが一般的で、5社から10社程度を目安に応募するのがおすすめ。
多すぎると管理が大変になり、少なすぎると選択肢が限られてしまう。自分のキャパシティを考えながら、無理のない範囲で応募しよう。
第3段階(4〜8週間):面接と選考
書類選考を通過したら、面接に進む。在職中の転職活動で最も苦労するのがこの段階。面接日程の調整にはいくつかのテクニックがある。
- 有給休暇を活用する:面接日に有給を取得して対応する
- 半休を使う:午前休や午後休を活用して、面接と仕事を両立させる
- オンライン面接を提案する:多くの企業がオンライン面接に対応しているので、積極的に活用しよう
- 終業後や昼休みを利用する:面接時間の融通が利く企業もあるため、相談してみる価値はある
仕事帰りにそのまま面接へ向かう日もあるので、応募書類を折らずに入れられるA4サイズのビジネスバッグが1つあると何かと便利だ。
第4段階(1〜2週間):内定と条件交渉
内定をもらったら、労働条件を確認して承諾の判断をする。内定承諾の回答期限は一般的に1週間程度。複数社の選考が同時に進んでいる場合は、スケジュールを揃えられるように調整しておくことが大切。
第5段階(4〜8週間):退職手続きと引き継ぎ
内定を承諾したら、現職の退職手続きに入る。上司への退職報告、退職届の提出、引き継ぎ、有給消化を計画的に進めていこう。

在職中の転職活動で気をつけるべき注意点
現職にバレないように行動する
転職活動をしていることが現職の同僚や上司にバレると、人間関係がギクシャクしたり、評価に影響したりする可能性がある。以下の点に注意しよう。
- 転職サイトのプロフィールで現職の会社名を非公開に設定する
- SNSに転職活動に関する投稿をしない
- 面接の服装が普段と異なる場合は着替えのタイミングを工夫する
- 会社のPCやメールアドレスで転職活動をしない
- 同僚に転職活動の話をしない(信頼できる人でも噂が広まるリスクがある)
業務に支障を出さない
転職活動に気を取られて、現職の業務がおろそかになるのは避けたい。在職中は現在の仕事にしっかり取り組み、成果を出し続けることが大切。退職する最後の日まで、プロフェッショナルとしての姿勢を保とう。
競業避止義務に注意する
雇用契約に競業避止義務が含まれている場合は、同業他社への転職に制限がかかる可能性がある。自分の雇用契約書や就業規則を確認し、不安な場合は弁護士に相談しておくと安心。
転職エージェントを活用するメリット
在職中の転職活動では、転職エージェントの活用が非常に効果的。忙しい中でも効率的に転職活動を進められるサポートが受けられる。
- 自分に合った求人を紹介してもらえる(求人検索の手間が省ける)
- 面接日程の調整を代行してもらえる
- 履歴書・職務経歴書の添削を受けられる
- 年収交渉を代わりにしてもらえる
- 非公開求人にアクセスできる
特に、面接日程の調整は在職中だと自分で行うのが難しいため、エージェントに任せることで大幅に負担を軽減できる。複数のエージェントに登録して、それぞれの強みを活かすのもおすすめの方法。
退職と転職活動の両立でよくある質問
Q. 面接のために有給を使いすぎると怪しまれない?
短期間に有給を多く取得すると不自然に思われる可能性はある。「通院」「家族の用事」など、さまざまな理由で分散させるか、半休を活用して不自然さを減らす工夫をしよう。ただし、嘘の理由をつくことに抵抗がある場合は、「私用」として申請すれば詳細を説明する義務はない。
Q. 退職してから転職活動する方が有利な場合はある?
パワハラや体調不良で今すぐ辞めたい場合は、退職を優先すべき。また、留学やスキルアップのための勉強期間を設けたい場合も、先に退職する方が集中できる。ただし、一般的には在職中に転職活動する方が有利な面が多い。
Q. 転職活動は会社の就業時間外に行うべき?
もちろん、就業時間中に転職活動を行うのは避けるべき。会社のリソース(PC、メール、電話)を転職活動に使うのもNG。休憩時間や終業後、休日を活用して進めよう。
Q. 転職先が決まらないまま退職してもいい?
貯金に余裕があり、失業保険の受給条件を満たしている場合は、先に退職するのも一つの選択肢。ただし、空白期間が長引くと転職活動で不利になる場合もあるため、3ヶ月以内に決めるという目標を持って活動するのがおすすめ。
Q. 退職交渉が難航して転職先への入社日に間に合わない場合は?
まずは転職先に事情を説明し、入社日の調整を相談しよう。それでも難しい場合は、退職代行サービスを利用して退職手続きを進めるという方法もある。法律上、退職届を提出してから2週間で退職することが可能なので、最悪の場合はこの方法で対処できる。

在職中の転職活動に役立つ時間の使い方
仕事をしながら転職活動を進めるには、限られた時間を効率的に使うことが大切。以下のような時間の使い方を意識してみよう。
平日の隙間時間を活用する
通勤中のスマートフォンで求人検索や企業研究を行う方法は非常に効果的。片道30分の通勤であれば、往復で1時間の情報収集時間が確保できる。昼休みに企業の口コミをチェックしたり、転職エージェントとメールでやりとりしたりするのもおすすめ。
休日を計画的に使う
土日のどちらかを「転職活動の日」と決めて集中的に取り組むと効率がいい。具体的には、午前中に応募書類の作成や修正を行い、午後に企業研究や面接対策をするなど、タスクを分けて進めるとスムーズに進められる。
転職活動の優先順位をつける
すべてを完璧にこなそうとすると疲弊してしまう。「応募書類の準備」「面接対策」「企業研究」など、やるべきことに優先順位をつけて、その日にやることを決めてから取り組むと、限られた時間でも着実に前に進むことができる。
転職活動のスケジュール管理には、スマートフォンのカレンダーアプリやタスク管理アプリを活用するのが便利。応募先企業ごとに選考状況をメモしておくと、複数社の進捗を把握しやすくなる。
紙に書いたほうが頭に入りやすい人は、手帳に面接日と選考状況を書き込んでおくのも一つの方法だ。
まとめ
退職と転職活動を同時に進める方法は、収入を維持しながら次のキャリアを見つけられるという点で非常に合理的な選択肢。ただし、時間の管理と現職への配慮が求められるため、計画的に動くことが成功のカギになる。
転職エージェントの力を借りながら効率的に進め、内定が出たら速やかに退職手続きに入ることで、スムーズなキャリアチェンジを実現しよう。焦らず、でも着実に、自分にとってベストなタイミングで次の一歩を踏み出してほしい。


