結婚が決まると、仕事を続けるか辞めるか迷う方は多いです。特に引っ越しや新生活の準備と重なると、退職のタイミングや必要な手続きが気になりますよね。
この記事では、結婚を機に退職する場合のベストなタイミングや、退職前後で必要になる手続き・届出についてまとめています。「いつ辞めるのがお得?」「退職後の保険や年金はどうなる?」といった疑問をしっかり解消していきます。

結婚退職(寿退社)のベストなタイミングはいつ?
結婚を理由に退職する「寿退社」には、タイミングによってメリット・デメリットがあります。生活設計や金銭面を考慮して、自分に合ったタイミングを選ぶことが大切です。
結婚式の前に退職するケース
結婚式の準備に集中したい方は、式の2〜3ヶ月前に退職するパターンが多いです。仕事のストレスなく式の準備に取り組めるのがメリットですが、収入が途切れるため貯金に余裕が必要です。
結婚式の後に退職するケース
経済的な安定を重視する場合は、結婚式を終えてから退職する方法もあります。式の費用をしっかり賄えますし、ボーナスをもらってから辞めることもできます。ただし、式の準備と仕事の引き継ぎが重なってかなり忙しくなる点は覚悟が必要です。
入籍日を基準に考える方法
入籍と退職を近い時期にすると、名前や住所の変更手続きをまとめて行えるため効率的です。一方で、入籍後もしばらく今の職場で働くなら、旧姓のまま仕事を続けるかどうかの判断も出てきます。
退職を申し出るタイミングは、民法上は2週間前で問題ありません。ただし円満退職を目指すなら、遅くとも3ヶ月前、責任ある立場なら半年前には上司に報告しておくのがベターです。
退職のタイミングで変わるお金の話
退職する月や日付によって、税金や社会保険の負担額が変わることがあります。ここでは知っておきたい3つのポイントを紹介します。
年末退職なら確定申告が不要になるケースも
年末調整が終わった後の12月に退職すると、翌年の確定申告が不要になるケースがあります。年の途中で退職すると、所得税の過不足を自分で確定申告する必要があるため、年末まで働いてから辞めた方が手間が少なくなります。
月末退職が社会保険料でお得
社会保険は「月末時点で加入している」制度に保険料を支払う仕組みです。月末日に退職すれば、その月まで会社の社会保険に加入できるので、国民健康保険への切り替えを翌月からにできます。月途中で退職すると、その月の保険料を自分で負担することになるため注意しましょう。
ボーナス支給日を確認しておく
ボーナスの支給条件は会社によって異なりますが、支給日に在籍していることが条件の場合が多いです。退職日をボーナス支給日の後に設定することで、賞与をしっかり受け取ってから退職できます。
退職後しばらく収入が途切れる場合は、結婚式の費用や新生活の出費と合わせて、毎月のお金の出入りを家計簿で見える形にしておくと、いつ辞めるかを決めやすくなります。

上司への退職の伝え方とマナー
結婚退職を上司に伝えるときは、タイミングと伝え方に配慮することで、円満に退職しやすくなります。
まずは直属の上司に口頭で伝える
退職の意思は、まず直属の上司に1対1の面談で伝えるのが基本です。メールやSNSではなく、直接口頭で伝えることがマナーとされています。「結婚に伴い、○月末をもって退職させていただきたいと考えています」とシンプルに伝えましょう。
同僚への報告は上司の許可を得てから
上司より先に同僚に話が伝わると、トラブルの原因になることがあります。上司に報告し、社内への共有タイミングを相談してから同僚に伝えるようにしましょう。
引き継ぎ資料は丁寧に作る
退職までに自分の業務の引き継ぎ資料を作成しておくと、後任者や周囲からの信頼を損ないません。業務の手順書やクライアントの連絡先リスト、進行中の案件の状況など、必要な情報をまとめておきましょう。
退職前に済ませておくべき手続き
退職する前に確認・準備しておくべき手続きをまとめます。
有給休暇の残日数を確認する
退職前に有給休暇がどのくらい残っているか確認しておきましょう。有給消化は労働者の権利なので、退職日から逆算して計画的に取得するのがおすすめです。
会社への返却物をチェック
退職時に会社に返却するものをリストアップしておきましょう。主な返却物は以下のとおりです。
- 健康保険証
- 社員証・IDカード
- 会社の鍵・セキュリティカード
- 業務用のPC・携帯電話
- 名刺(自分のものと受け取ったもの)
- 制服・作業着
退職届の提出
退職届は直属の上司に手渡しするのが基本です。「一身上の都合」として提出し、退職日を明記します。退職届のフォーマットは会社で指定がある場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
特に指定がない場合は、白無地の用紙に手書きし、白い封筒に入れて渡すのが一般的です。用紙と封筒がセットになったものを用意しておくと、書き方で迷いにくくなります。
退職届と退職願は別のものです。退職願は「退職したい」という申し出で、会社の承諾が必要です。退職届は「退職します」という通知で、原則として撤回できません。
退職後に必要な手続き一覧
退職後は、健康保険・年金・税金に関する手続きが必要です。配偶者の扶養に入るかどうかで手続きが変わるため、事前にどちらにするか決めておくとスムーズです。
健康保険の切り替え
退職後の健康保険は、次の3つから選択します。
- 配偶者の扶養に入る:年収が130万円未満(見込み)であれば、配偶者の健康保険の被扶養者になれます
- 任意継続:退職前の健康保険を最長2年間継続できます(退職日の翌日から20日以内に手続きが必要)
- 国民健康保険に加入:市区町村の窓口で手続きします(退職日の翌日から14日以内)
年金の切り替え
配偶者が会社員や公務員で、自分の年収が130万円未満の場合は第3号被保険者として配偶者の勤務先で手続きしてもらえます。それ以外の場合は、市区町村で国民年金への切り替え手続きが必要です。
住民税の納付方法の変更
在職中は給与から天引き(特別徴収)されていた住民税ですが、退職後は自分で納付する「普通徴収」に切り替わります。退職のタイミングによっては一括徴収を求められる場合もあるので、会社の経理や総務に確認しておきましょう。
会社から受け取る書類の確認
退職時には以下の書類を受け取ります。届かない場合は会社に請求してください。
- 離職票(失業保険の申請に必要)
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 健康保険資格喪失証明書
- 年金手帳(会社に預けている場合)
引っ越しや名義変更の手続きと重なると、届いた書類がどこにいったか分からなくなりがちです。退職関係の書類は1つのドキュメントファイルにまとめておくと、窓口での手続きもスムーズです。

結婚退職後に失業保険はもらえる?
結婚を理由とした退職でも、条件を満たせば失業保険(基本手当)を受給できます。
自己都合退職の場合
結婚退職は基本的に「自己都合退職」となります。退職前2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入期間があれば受給資格があります。ただし、自己都合退職の場合は原則1ヶ月の給付制限期間(待期7日間+原則1ヶ月間。2025年4月の雇用保険法改正で2ヶ月から短縮)があるため、すぐには受給できません。
特定理由離職者になるケース
結婚に伴う住所変更で通勤困難になった場合(片道2時間以上など)は、「特定理由離職者」に認定される可能性があります。この場合は給付制限なしで受給を開始できます。ハローワークで相談してみましょう。
すぐ働く予定がない場合の受給期間延長
結婚後しばらく仕事をしない場合は、受給期間の延長手続きが可能です。通常1年間の受給期間を最長4年間まで延長でき、就職活動を始めたタイミングから受給できるようになります。
結婚退職で知っておきたいQ&A
Q. 結婚退職のベストな時期は何月?
年末調整後の12月末、またはボーナス支給後が経済的にお得です。ただし、転職先が決まっている場合は入社日から逆算して考えるのがいいでしょう。個人の状況によるので、自分の生活設計に合った月を選んでください。
Q. 退職代行を使って結婚退職することはできる?
もちろんできます。上司に直接言い出しにくい雰囲気がある場合や、引き止めが強い場合は退職代行サービスを利用する選択肢もあります。弁護士型や労働組合型の退職代行なら、有給消化の交渉もしてもらえます。
Q. パートナーの転勤で退職する場合の注意点は?
配偶者の転勤に伴う退職の場合、「特定理由離職者」として認められるケースがあります。ハローワークに必要書類(転勤の辞令のコピーなど)を持参して相談してみましょう。
Q. 退職後、結婚に伴う氏名変更の手続きはどうすれば?
退職後に入籍する場合は、退職時の書類は旧姓で処理されます。その後、銀行口座・運転免許証・マイナンバーカード・年金手帳などの名義変更を順次行いましょう。

まとめ
結婚を機に退職する場合、タイミングの選び方次第で税金や社会保険の負担が変わります。退職を申し出る時期は3ヶ月前、引き継ぎや有給消化も計画的に進めましょう。退職後は健康保険・年金・住民税の手続きを速やかに行い、必要に応じて失業保険の申請も検討してみてください。
新しい人生のスタートに向けて、焦らず一つずつ準備していきましょう。
参考:厚生労働省|雇用保険制度


