「本当の退職理由を言いたくない」「嘘をついても大丈夫なの?」
退職理由を正直に伝えると角が立つ場合、嘘の退職理由を使ってスムーズに退職するのは実はよくあることです。法律上も、退職理由を正直に伝える義務はありません。
ただし、嘘の退職理由にもリスクがあります。この記事では、バレにくい退職理由の選び方、嘘をつくリスク、上手な伝え方のコツを詳しく解説します。

退職理由で嘘をつくのは法的に問題ない?
結論から言うと、退職理由で嘘をつくこと自体は法律違反にはなりません。
退職理由を正直に伝える法的義務はない
民法第627条は「退職の意思表示」の方法について定めていますが、退職理由の内容については規定していません。つまり、法律上は退職理由を一切伝えなくても、退職届を出せば退職は成立します。
退職届に記載する理由は「一身上の都合により」が一般的で、詳しい理由を書く必要はありません。口頭で聞かれた場合に答える退職理由も、本当のことを言う義務はないのです。
ただし注意が必要な場面がある
退職理由で嘘をつくこと自体は問題ありませんが、以下の場面では注意が必要です。
- 離職票の退職理由:「自己都合」か「会社都合」かは失業保険の受給条件に影響するため、正確に記載する必要がある
- 転職先の面接:前職の退職理由を聞かれた際に、あまりにも大きな嘘をつくとバレた時にリスクがある
離職票の退職理由と、上司に伝える退職理由は別物です。離職票には事実を記載しますが、上司に伝える退職理由は角の立たない内容にしても問題ありません。ただし、会社都合で退職するのに「一身上の都合」と書いてしまうと、失業保険で不利になるため注意しましょう。
バレにくい退職理由の具体例
嘘の退職理由を使う場合は、検証が難しく、会社では解決できない理由を選ぶのがポイントです。
理由1:家族の介護が必要になった
「親の体調が悪くなり、介護に専念する必要が出てきた」という理由は、プライベートな問題のため会社側が確認しにくく、引き止めの余地もほとんどありません。
ただし、退職後に近所でバッタリ会った時のことを考えて、「完全な介護」ではなく「通院の付き添いやサポートが増えた」程度の表現にしておくと安全です。
理由2:配偶者の転勤に伴う引っ越し
配偶者がいる場合に使える理由です。引っ越しを伴うため、物理的に通勤が不可能になるという明確な理由になります。ただし、実際に引っ越さない場合は同僚に会った時にバレるリスクがあります。
理由3:体調の問題で働き方を変えたい
「体調面の問題で、現在の勤務形態を続けるのが難しくなった」という理由です。具体的な病名を聞かれても、「プライベートなことなので詳しくはお話しできませんが…」とかわせます。
理由4:資格取得や学業のため
「かねてより目指していた資格の取得に専念したい」「大学院で学び直したい」という理由です。前向きな印象を与えられ、引き止められても「勉強に専念する」と押し切りやすいのがメリットです。
理由5:家業を継ぐ・家族の事業を手伝う
「実家の事業を継ぐことになった」「家族の事業を手伝う必要が出てきた」という理由です。会社側では解決できない個人的な事情のため、引き止めにくい理由です。

嘘の退職理由を使うリスクと対策
嘘の退職理由にはメリットもありますが、リスクもあります。事前に理解しておきましょう。
リスク1:退職後にバレる可能性がある
「介護のため」と言って辞めたのに、すぐに転職して元同僚にSNSで見つかった…というケースがあります。退職後も元同僚とつながる可能性を考慮して、完全にバレない嘘かどうかを考えましょう。
対策:バレても問題にならない程度の理由にする。「キャリアの方向性を考え直す」など、嘘ではなくグレーな表現を使う。
リスク2:辻褄が合わなくなる
退職理由を上司・人事・同僚それぞれに聞かれるたびに少しずつ内容が変わると、「話が矛盾している」と疑われる可能性があります。
対策:退職理由は一貫した内容にまとめ、誰に聞かれても同じ答えができるようにしておく。
リスク3:転職先の面接で聞かれる
転職先の面接で「前職の退職理由は?」と聞かれることがあります。上司に言った退職理由と面接で言う退職理由が大きく矛盾すると、前職に確認された場合にトラブルになる可能性があります。
対策:面接では「キャリアアップのため」など、前向きで汎用性のある理由を使う。前職に確認されても矛盾しないレベルの理由にしておく。
嘘の退職理由を使う際のポイント:
- 完全な嘘よりも「事実のポジティブな言い換え」がおすすめ
- 誰に聞かれても一貫した答えができるよう事前に準備する
- 退職後にバレた場合のシナリオも考えておく
- 会社では解決できない個人的な事情を理由にすると引き止められにくい
「嘘」よりも「ポジティブな言い換え」がおすすめ
完全な嘘をつくよりも、本音をポジティブに言い換える方がリスクが低いです。
言い換えの具体例
| 本音の理由 | ポジティブな言い換え |
|---|---|
| 給料が安くて生活が苦しい | 自分の市場価値を試してみたい |
| 上司が嫌で耐えられない | 新しい環境で視野を広げたい |
| 毎日残業で体が限界 | ワークライフバランスを見直したい |
| 将来性がない会社だと感じた | 成長できる環境に身を置きたい |
| 仕事が単調でつまらない | 新しい分野にチャレンジしたい |
| 同僚との人間関係が辛い | 新たな人脈を広げて成長したい |
このように言い換えれば、嘘をついているわけではなく、本音の一部を別の角度から表現しているだけなので、バレるリスクもありません。

退職理由で使ってはいけないNGな嘘
以下のような嘘は、バレやすかったりトラブルの原因になるため避けましょう。
NG1:具体的な病名を出す
「がんが見つかった」「手術が必要」など、具体的な病名を嘘の理由にするのはモラル的にも問題があり、バレた時のダメージが大きいです。体調を理由にする場合は「体調に不安がある」程度にとどめましょう。
NG2:すぐにバレる嘘
「海外に引っ越す」と言ったのにSNSで国内にいることがバレる、「家業を継ぐ」と言ったのに家族が会社員、など少し調べれば分かるような嘘は避けましょう。
NG3:会社への当てつけになる嘘
「こんな会社にいても成長できない」「もっといい会社が見つかった」など、現職を貶めるような表現は嘘かどうかに関わらず避けるべきです。
よくある質問Q&A
Q. 退職理由を「一身上の都合」だけで通せる?
A. 退職届に書く理由は「一身上の都合」で問題ありません。ただし、口頭で上司に聞かれた場合は何らかの理由を伝えたほうが円満に進むことが多いです。
Q. 嘘がバレたらどうなる?
A. 退職後に嘘がバレたとしても、法的なペナルティが科されることはありません。ただし、元同僚や上司との関係が悪化する可能性はあります。同業界に転職する場合は特に注意しましょう。
Q. 転職先に退職理由を確認される?
A. 一般的に、転職先が前職に退職理由を確認することはほとんどありません。ただし、リファレンスチェック(前職への照会)を行う企業もあるため、大きく矛盾しないレベルの理由にしておくのが安全です。
まとめ
退職理由で嘘をつく方法と注意点をまとめます。
- 退職理由を正直に言う法的義務はない。嘘をつくこと自体は問題なし
- 完全な嘘より「ポジティブな言い換え」の方がリスクが低い
- バレにくい退職理由は「会社で解決できない個人的事情」
- 具体的すぎる嘘やすぐバレる嘘は避ける
- 離職票の退職理由は事実を記載する(失業保険に影響するため)
大切なのは、嘘をつくことに罪悪感を感じすぎないこと。退職は労働者の権利であり、理由を説明する義務はありません。円満退職のためのコミュニケーション術として、上手に活用してください。
参考リンク:厚生労働省|雇用保険制度、ハローワーク


