入社してまだ1ヶ月。でも「この会社は合わない」と感じている。そんな方にとって、退職は想像以上に勇気のいる決断ですよね。「1ヶ月で辞めるなんて非常識だ」と思われるのではないかと不安を感じる気持ちはよくわかります。
でも安心してください。入社1ヶ月での退職は法律上まったく問題なく、実際にそうした選択をする人は少なくありません。大切なのは、正しい手順で誠実に対応することです。
この記事では、入社1ヶ月で退職する方法、上司への伝え方、転職への影響までを具体的に解説します。

入社1ヶ月で退職を考える主な理由
入社1ヶ月で退職を考える理由は人それぞれですが、代表的なものを紹介します。
入社前と入社後のギャップ
求人情報や面接で聞いていた内容と、実際の業務内容や職場環境が大きく異なるケースです。「営業事務で入社したのに、実際はほぼ飛び込み営業だった」「残業なしと聞いていたのに毎日3時間残業がある」といったギャップは、退職理由として十分に正当です。
人間関係の問題
パワハラやいじめ、職場の雰囲気が合わないなど、人間関係の問題は短期間でも心身に大きな影響を与えます。たとえば、教育担当の先輩が高圧的で毎日のように怒鳴られる、同僚のグループに馴染めず昼食時に孤立してしまう、といったケースは珍しくありません。厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」では、パワハラを受けた人の約3割が「仕事への意欲が減退した」と回答しています。1ヶ月という短期間であっても、毎日苦痛を感じる環境に居続ける必要はありません。
体調面の問題
新しい環境のストレスで体調を崩すケースもあります。体調不良が続く場合は、無理をせず早めに退職を検討する方が長期的には正解です。
入社1ヶ月で退職する具体的な手順
ステップ1:退職の意思を固める
「本当に辞めるべきか」をもう一度冷静に考えましょう。一時的なストレスなのか、根本的なミスマッチなのか。1週間ほど考えても気持ちが変わらなければ、退職を進めてよいでしょう。具体的には、ノートに「辞めたい理由」「続けるメリット」「辞めるリスク」を書き出してみてください。頭の中だけで考えていると堂々巡りになりますが、紙に書くと判断が明確になります。
ステップ2:上司に退職の意思を伝える
直属の上司にアポイントを取り、個別で退職の意思を伝えます。退職理由は正直に、でも相手を傷つけない表現で伝えましょう。切り出し方としては「お忙しいところ恐縮ですが、少しお時間をいただけますでしょうか」とアポを取り、会議室など他の社員がいない場所で話すのがベストです。タイミングは朝イチや月曜日は避け、業務が落ち着いている午後の時間帯がおすすめです。
ステップ3:退職届を提出する
口頭で伝えた後、退職届を書面で提出します。退職日は上司と相談して決めますが、法律上は2週間後に退職が成立します。
ステップ4:退職日まで誠実に勤務する
退職が決まったら、残りの期間は誠実に業務に取り組みましょう。入社1ヶ月であれば引き継ぎはほとんどないと思いますが、できることはきちんと対応してください。

退職理由の伝え方・例文
入社1ヶ月での退職理由は、伝え方次第で印象が大きく変わります。
伝え方のポイント
- 会社や上司の悪口は言わない
- 具体的すぎる理由より、大枠で伝える
- 自分の責任として話す姿勢を見せる
- 申し訳ない気持ちは素直に伝える
例文1:業務内容のミスマッチ
「入社前にイメージしていた業務内容と実際の業務に差があり、自分の適性を考えた結果、別の方向でキャリアを積んだ方がよいと判断しました。短い期間で申し訳ございません。」
例文2:体調面の理由
「環境の変化による体調不良が続いており、医師からも療養を勧められています。業務を続けることが難しい状態のため、退職させていただきたく存じます。」
例文3:家庭の事情
「家庭の事情により、現在の勤務体制を続けることが困難になりました。入社して間もない時期にこのようなお話をして大変申し訳ございません。」
入社前に聞いていた条件と実態が明らかに違う場合は、その旨を率直に伝えて問題ありません。「求人には残業なしと書いてあったが、実際は毎日3時間の残業がある」など、具体的な事実を伝えましょう。
入社1ヶ月退職の転職への影響
短期退職は不利になるのか
正直に言えば、1ヶ月での退職は転職活動においてプラスの要素にはなりません。しかし、1回の短期退職であれば、面接で誠実に理由を説明すれば十分にカバーできます。
面接での説明の仕方
「なぜ1ヶ月で辞めたのか」は必ず聞かれます。このとき大切なのは以下の3点です。
- 前の会社の悪口は言わない
- ミスマッチに気づいた経緯を具体的に説明する
- 次の会社でどう活かしたいかを前向きに伝える
履歴書に書くべきか
社会保険に加入していた場合は、職歴として記載するのが無難です。記載せずに入社後に発覚すると、経歴詐称として問題になるリスクがあります。短期退職があっても、正直に書いて堂々と面接に臨みましょう。

入社1ヶ月退職で知っておくべき制度
失業保険について
失業保険は原則として離職前2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入期間が必要です。入社1ヶ月だけではこの条件を満たさないため、失業保険は受給できません。ただし、前職での加入期間と合算できる場合があります。たとえば、前職で2年間勤務して退職し、1ヶ月後に再就職して1ヶ月で退職した場合、前職の加入期間が通算されるケースがあります。合算の可否はハローワークで確認できますので、退職後に離職票を持参して相談してみてください。
社会保険の切り替え
1ヶ月でも社会保険に加入していた場合は、退職後に国民健康保険と国民年金への切り替え手続きが必要です。退職後14日以内に市区町村の窓口で手続きしましょう。手続きには健康保険資格喪失証明書、マイナンバーカード(または通知カード)、印鑑が必要です。なお、すぐに次の会社に入社する場合は、転職先で社会保険に加入するため自分で手続きする必要はありません。入社日までに空白期間が生じる場合のみ、国保・国民年金への切り替えが必要になります。
源泉徴収票の受け取り
1ヶ月分の給与に対する源泉徴収票が発行されます。年末調整や確定申告に必要なので、必ず受け取りましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 入社1ヶ月で辞めたいのですが、損害賠償を請求されませんか?
A. 正当な手続きで退職する限り、損害賠償を請求されることはまずありません。民法で退職の自由が保障されているため、安心してください。
Q. 入社1ヶ月で退職した場合、給与はもらえますか?
A. もちろんもらえます。働いた日数分の給与は全額支払われるのが法律上の義務です。支払われない場合は労働基準監督署に相談しましょう。
Q. 退職届を出したら即日で辞められますか?
A. 会社が合意すれば即日退職も可能です。合意が得られない場合は、最短で2週間後に退職が成立します。
Q. 入社1ヶ月で辞める人はどれくらいいますか?
A. 厚生労働省の調査によると、入社1年以内に退職する人は新卒で約10%を超えます。1ヶ月以内の退職は統計上は少数ですが、決して珍しいことではありません。
Q. 退職代行は使えますか?
A. はい、入社1ヶ月でも退職代行は利用可能です。上司に直接伝えるのが精神的に難しい場合は、選択肢として検討してよいでしょう。
まとめ:合わないなら早く動いた方がお互いのため
入社1ヶ月での退職は気まずいですが、合わない環境で無理を続けるよりも早く行動する方が、自分のキャリアにとっても会社にとってもプラスです。
退職時のポイントをまとめます。
- 退職は法律上の権利:1ヶ月でも2週間前の申し出で退職可能
- 伝え方は誠実に:会社の悪口は避け、自分の判断として伝える
- 転職は十分可能:1回の短期退職で人生が終わるわけではない
次の転職活動に不安がある方は、ハローワークやdodaなどの転職支援サービスを活用してみてください。ハタラクティブは20代の転職に特化したサービスとして実績があります。



