退職代行サービスを検討するとき、最初に気になるのが「いくらかかるのか」という費用面ではないでしょうか。退職代行の料金は、運営元が民間企業なのか、労働組合なのか、弁護士なのかによって大きく異なります。
この記事では、退職代行のタイプ別の料金相場から、追加費用の有無、支払い方法、そしてコストを抑えるためのポイントまで、費用に関する疑問を網羅的に解説します。

退職代行の料金相場【タイプ別まとめ】
退職代行サービスの料金は、運営主体によって相場が異なります。以下に各タイプの料金帯をまとめます。
民間企業運営の退職代行:1万5,000円~3万円
民間企業が運営する退職代行は、最もリーズナブルな価格帯です。業界最安値級のサービスでは1万5,000円(税込)程度から利用可能です。雇用形態(正社員・パート・アルバイト)を問わず一律料金としているサービスが多く、追加料金が発生しないケースがほとんどです。
ただし、民間企業ができるのは退職の意思を会社に伝えることに限られます。弁護士法第72条に基づき、法律事務に該当する交渉行為は弁護士にしか認められていないため、有給消化の交渉や未払い賃金の請求はできません。
労働組合運営の退職代行:2万4,000円~3万円
労働組合が運営または提携する退職代行は、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。労働組合には憲法第28条で保障された団体交渉権があるため、有給休暇の消化交渉、退職日の調整、退職条件の交渉などが法的に認められています。
代表的なサービスの料金例:
- 退職代行ガーディアン:一律19,800円(税込)。追加費用なし
- 退職代行SARABA:一律24,000円(税込)。追加費用なし
非営利の労働組合が運営しているため、営利目的の追加費用が発生しにくいのも特徴です。
弁護士運営の退職代行:2万7,500円~8万円
弁護士が直接対応する退職代行は最も高額ですが、対応範囲が最も広いサービスです。退職の意思伝達に加え、未払い残業代の請求、退職金の請求、損害賠償への対応、ハラスメントの法的措置など、あらゆる法的問題に対処できます。
代表的なサービスの料金例:
- 弁護士法人みやび:27,500円(税込)~。成功報酬は回収額の20%
- 退職110番:一律43,800円(税込)。退職条件の交渉も基本料金内
- 費用だけで比較すると民間企業型が最安ですが、対応範囲は限定的です
- 有給消化の交渉をしたいなら、労働組合型がコスパに優れています
- 法的トラブルがあるなら、弁護士型が確実です
基本料金以外にかかる費用はある?
退職代行の費用を検討する際、基本料金だけでなく追加費用の有無も重要です。
追加料金が発生するケース
一部のサービスでは、以下のような追加料金が発生することがあります。
- 成功報酬:弁護士型で残業代や退職金を回収した場合、回収額の10~20%程度が成功報酬としてかかるケースがあります
- 郵送費用:退職届や書類の郵送にかかる実費が別途必要な場合があります
- 内容証明郵便の費用:内容証明郵便で退職届を送付する場合、1,500円~2,000円程度の実費が加算されることがあります
追加料金なしのサービスを選ぶコツ
「追加料金一切なし」と明記しているサービスを選ぶのが安心です。特に労働組合型のサービスは、非営利組織であるため追加費用が発生しないことを明確に打ち出しているサービスが多い傾向にあります。
申し込み前に「基本料金以外に費用が発生するケースはありますか?」と直接質問しておくことをおすすめします。

支払い方法の種類と特徴
退職代行サービスの支払い方法は多様化しています。自分の状況に合った支払い方法を選べるかどうかも、サービス選びのポイントです。
銀行振込(前払い)
最も一般的な支払い方法です。入金確認後にサービスが開始されるため、即日退職を希望する場合はなるべく早い時間帯に振り込む必要があります。
クレジットカード決済
多くのサービスがクレジットカード決済に対応しています。カード会社の分割払い機能を利用すれば、一括での支払いが難しい場合でも利用可能です。即時決済のため、振込よりもスピーディーにサービスを開始できます。
後払い対応
「手持ちの現金がない」という方のために、後払いに対応しているサービスもあります。退職が成功してから支払いを行うため、「お金を払ったのに退職できなかった」というリスクがありません。
電子マネー・その他
一部のサービスでは、PayPayなどの電子マネーやコンビニ決済にも対応しています。支払い方法の選択肢が多いサービスほど、利用者の利便性は高くなります。
費用を抑えるためのポイント
退職代行の費用をできるだけ抑えたい方に向けて、いくつかのポイントを紹介します。
自分に必要な対応範囲を見極める
退職代行の費用は対応範囲に比例します。「ただ退職の意思を伝えてもらうだけでいい」なら民間企業型で十分ですが、「有給消化の交渉もしてほしい」なら労働組合型、「法的トラブルの対応も必要」なら弁護士型と、自分の状況に合ったタイプを選ぶことが、結果的にコストの最適化につながります。
返金保証の有無を確認する
万が一退職できなかった場合に備えて、全額返金保証があるサービスを選ぶと安心です。退職代行は退職成功率が非常に高いサービスですが、返金保証があることでリスクなく利用できます。
キャンペーンや割引を活用する
一部のサービスでは、期間限定の割引キャンペーンを実施していることがあります。急いでいない場合は、キャンペーン情報をチェックしてみるのも一つの方法です。
有給消化で費用を回収する
労働組合型や弁護士型のサービスを利用して有給休暇の消化交渉に成功すれば、有給分の給与が支払われます。例えば、日給1万円で有給が10日残っていれば10万円分の給与が得られるため、退職代行の費用は十分に回収できます。

退職代行の費用は「高い」のか?
退職代行に2万円~5万円を払うのは「高い」と感じる方もいるかもしれません。しかし、退職代行の費用対効果を考えると、見方が変わる場合があります。
精神的な負担を金額に換算すると
退職を言い出せずにストレスを抱え続けることで、体調を崩して通院が必要になるケースもあります。医療費や生産性の低下を考えると、2万円~5万円で問題を解決できるのは合理的な選択ともいえます。
有給消化分の給与と比較すると
前述のとおり、有給が残っている場合は退職代行の費用以上の給与を受け取れる可能性があります。厚生労働省の年次有給休暇に関するページでも、有給休暇は労働者の権利として保障されていることが確認できます。
弁護士に個別に依頼する場合との比較
退職に関するトラブルを弁護士に個別に相談すると、相談料だけで30分5,000円~1万円、着手金が10万円以上かかることもあります。弁護士型の退職代行であれば、これらが2万7,500円~8万円に含まれているため、個別依頼よりも大幅に安く済むケースがほとんどです。
5,000円以下など極端に安い退職代行には注意が必要です。実態のない業者や、途中で連絡が途絶えるケースが報告されています。信頼できるサービスは最低でも1万5,000円以上が目安です。
よくある質問(Q&A)
Q. パートやアルバイトでも料金は同じですか?
多くの退職代行サービスは雇用形態を問わず一律料金です。ただし、一部のサービスではパート・アルバイトは正社員より安い料金を設定している場合があります。申し込み前に確認しましょう。
Q. 退職できなかった場合、お金は返ってきますか?
全額返金保証を設けているサービスであれば、退職できなかった場合は料金が全額返金されます。返金保証の有無は申し込み前に必ず確認してください。なお、退職は労働者の権利であるため、退職代行が失敗するケースは極めてまれです。
Q. 退職代行の費用は経費で落とせますか?
退職代行の費用を経費として計上することは、通常の雇用関係においては難しいです。あくまで個人的な支出として扱われるのが一般的です。ただし、個人事業主が事業のための退職に関連して弁護士費用を支払った場合は、状況によって経費として認められるケースもあります。税理士に相談することをおすすめします。
Q. 退職代行の費用を親に請求されることはありますか?
退職代行は本人との契約であるため、親や家族に費用が請求されることはありません。成人であれば本人の判断で契約・支払いが完結します。
まとめ|相場を把握して賢く退職代行を利用しよう
退職代行の費用は運営タイプによって1万5,000円~8万円と幅があります。民間企業型は安いが対応範囲が限定的、弁護士型は高いが法的対応を含む全範囲をカバー、そして労働組合型はその中間でコストパフォーマンスに優れています。
費用を抑えたい場合は、自分に必要な対応範囲を明確にすることが最も重要です。そして、有給消化の交渉が成功すれば退職代行の費用以上を回収できることも覚えておきましょう。まずは厚生労働省の退職に関するページで自分の権利を確認してから、最適なサービスを選んでみてください。



