退職代行を利用しようと決めたものの、「具体的にどうやって使うの?」「当日は何をすればいいの?」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。実際の流れを事前に知っておくだけで、心の準備ができてスムーズに進められます。
この記事では、退職代行サービスの申し込みから退職完了までの具体的な手順を、時系列に沿って丁寧に解説します。「何をいつやればいいのか」が分かれば、不安は大幅に軽減されるはずです。

ステップ1:無料相談で状況を伝える
退職代行の利用は、まず無料相談から始まります。ほとんどのサービスがLINE、メール、電話のいずれかで24時間相談を受け付けています。
相談時に伝えるべき情報
無料相談では、以下の情報を伝えるとスムーズです。
- 雇用形態:正社員、契約社員、パート、アルバイトなど
- 勤務先の情報:会社名、所在地、所属部署、上司の名前
- 退職希望日:「即日退職したい」「〇月〇日付で退職したい」など
- 有給休暇の残日数:消化を希望するかどうかも合わせて伝える
- 現在の状況:パワハラがある、引き止めが予想されるなど
- 退職理由:「一身上の都合」で問題ないが、詳しい状況を伝えると対応策を提案してもらえる
相談だけで料金は発生しない
無料相談の段階では費用は一切かかりません。相談した結果「やっぱり自分で退職を伝える」と決めても問題ありません。複数のサービスに相談して比較するのもよい方法です。
無料相談では、料金体系、対応範囲、追加費用の有無、即日対応の可否を必ず確認しましょう。疑問点は遠慮なく質問することが大切です。
ステップ2:正式に依頼・料金を支払う
相談の結果、サービス内容と料金に納得できたら正式に依頼します。
ヒアリングシートの記入
正式依頼後、多くのサービスではヒアリングシート(情報記入シート)の提出を求められます。ここで会社の連絡先、退職希望日、有給消化の希望、会社に伝えてほしいこと・伝えてほしくないことなどを詳細に記入します。
料金の支払い
支払い方法はサービスによって異なりますが、主に以下の方法があります。
- 銀行振込:最も一般的。入金確認後にサービス開始
- クレジットカード:即時決済でスピーディー。分割払いも可能
- 後払い:退職成功後に支払い。経済的に余裕がない方に適している
- 電子マネー:PayPayなどに対応しているサービスも
即日退職を希望する場合は、クレジットカード決済が最も早く手続きが進みます。

ステップ3:退職代行が会社に連絡する
料金の支払いが完了し、ヒアリングシートの内容に問題がなければ、退職代行業者があなたの代わりに会社へ退職の意思を伝えます。
連絡のタイミング
即日退職を希望する場合は、会社の始業時間に合わせて連絡が行われます。多くのサービスでは朝の始業前~始業直後のタイミングで電話連絡を行います。早朝に依頼した場合でも、始業時間の2~3時間前までに申し込みが完了していれば当日対応が可能なサービスが大半です。
会社に伝えられる内容
退職代行が会社に伝える内容は主に以下のとおりです。
- 退職の意思表示
- 退職希望日
- 有給休暇の消化希望(労働組合型・弁護士型の場合)
- 本人への直接連絡を控えてほしい旨
- 退職届・貸与品は郵送で対応する旨
会社への連絡後の対応
会社への連絡が完了すると、担当者からあなたに結果の報告があります。「会社側が退職を了承した」「有給消化が認められた」「退職届の送付先はここ」といった情報が共有されます。
ステップ4:退職届と貸与品を郵送する
退職代行の連絡後、あなたがやるべきことは退職届と貸与品の郵送です。
退職届の作成
退職届のテンプレートは退職代行サービスから提供されるケースが多いです。内容は「一身上の都合により退職いたします」というシンプルなもので問題ありません。手書きでもパソコン作成でも、法的な効力に差はありません。
貸与品の返却
会社から借りているものは郵送で返却します。一般的な返却物としては以下があります。
- 社員証・入館カード
- 健康保険証
- 制服・作業着
- 会社支給のパソコン・スマートフォン
- その他の備品
郵送は簡易書留やレターパックプラスなど、追跡可能な方法で送るのがおすすめです。「送った」「届いていない」というトラブルを防げます。
健康保険証は退職日以降に返却する必要があります。退職日前に返却すると、退職日までの保険適用が受けられなくなる可能性があるため注意しましょう。
ステップ5:会社から届く書類を確認する
退職完了後、会社から郵送される書類があります。これらは退職後の各種手続きに必要な重要書類です。
届くべき書類リスト
- 離職票:失業保険の申請に必要。退職後10日~2週間程度で届く
- 源泉徴収票:確定申告や転職先での年末調整に必要
- 雇用保険被保険者証:転職先での雇用保険加入手続きに必要
- 年金手帳(基礎年金番号通知書):年金の切り替え手続きに必要
- 退職証明書:求められた場合に発行される
これらの書類が届かない場合は、退職代行サービスに相談するか、ハローワークに問い合わせることで対応してもらえます。

ステップ6:退職後の各種手続きを行う
退職が完了した後は、以下の手続きを速やかに行いましょう。
健康保険の切り替え
退職すると会社の健康保険から外れるため、以下のいずれかの手続きが必要です。
- 国民健康保険への加入:退職日の翌日から14日以内に市区町村の窓口で手続き
- 任意継続:退職日の翌日から20日以内に手続き。退職前の健康保険を最長2年間継続できる
- 家族の扶養に入る:年収見込みが130万円未満の場合に選択可能
年金の切り替え
会社員の厚生年金から国民年金への切り替え手続きが必要です。退職日の翌日から14日以内に市区町村の窓口で手続きを行います。
失業保険の申請
雇用保険に加入していた方は、ハローワークで失業保険(基本手当)の申請が可能です。自己都合退職の場合は、申請後7日間の待期期間に加え、原則2か月の給付制限期間があります。
住民税の支払い方法の変更
在職中は給与から天引きされていた住民税が、退職後は普通徴収(自分で納付)に切り替わります。市区町村から届く納付書に従って支払いましょう。
即日退職の場合のタイムスケジュール
即日退職を希望する場合の、一般的なタイムスケジュールを紹介します。
前日~深夜
退職代行サービスに相談。24時間対応のサービスなら深夜でもLINEやメールで相談可能です。ヒアリングシートの記入と料金の支払いを済ませます。
当日朝(始業前)
退職代行業者が会社に電話連絡。あなたの退職の意思を伝えます。
当日午前中
会社への連絡結果の報告を受けます。多くのケースでは、この時点で「明日から出社不要」の状態になります。退職届の送付方法、貸与品の返却方法について確認します。
当日以降
退職届と貸与品を郵送。有給休暇が残っている場合は、退職日まで有給消化に入ります。

よくある質問(Q&A)
Q. 退職代行を使っている間、会社から本人に連絡はきますか?
退職代行業者が「本人への直接連絡は控えてください」と会社に伝えますが、完全に防ぐことは難しい場合もあります。万が一会社から連絡がきた場合は、対応せずに退職代行の担当者に相談してください。
Q. 退職届は手書きじゃないとダメですか?
退職届は手書きでもパソコン作成でも法的効力に差はありません。ただし、署名欄は自署(手書き)にするのが一般的です。退職代行サービスからテンプレートが提供されるケースがほとんどなので、それに従えば問題ありません。
Q. 退職代行を使った後、会社に一度も行かなくて大丈夫ですか?
多くのケースでは、退職代行利用後に出社する必要はありません。貸与品の返却や私物の回収は郵送で行えます。ただし、事前に私物を自宅に持ち帰っておくことを強くおすすめします。
Q. 退職代行を使った後の転職に影響はありますか?
退職代行を利用したことが転職先に知られることは基本的にありません。退職理由は「一身上の都合」で問題なく、前職調査が行われることも一般的ではありません。
まとめ|流れを知れば退職代行は怖くない
退職代行の利用は「無料相談→正式依頼・支払い→会社への連絡→退職届・貸与品の郵送→退職後の手続き」という明確なステップで進みます。
最初の一歩である無料相談は、相談しただけで費用が発生することはありません。退職に悩んでいる方は、まずは気軽に話を聞いてもらうところから始めてみてはいかがでしょうか。流れを知っておくだけで、退職への不安は大きく和らぎます。



