派遣社員で退職代行を使いたいけれど、「派遣でも使えるの?」「派遣元と派遣先、どっちに連絡するの?」と疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、派遣社員でも退職代行は使えます。ただし、正社員やアルバイトとは異なる注意点があるため、派遣特有のルールを理解した上で利用することが大切です。
筆者は元労務担当として派遣社員の退職にも関わってきた経験があります。この記事では、派遣社員が退職代行を使う際のポイント、契約の仕組み、おすすめのサービスを詳しく解説していきます。

派遣社員の退職代行が複雑な理由
派遣社員の退職が正社員より複雑になるのは、「雇用関係」と「指揮命令関係」が分かれているためです。この構造を理解しておくことが、スムーズな退職への第一歩です。
- 雇用契約:派遣元(派遣会社)と結んでいる
- 実際の業務:派遣先(就業先の会社)で行っている
そのため、退職代行が連絡するのは原則として派遣元(派遣会社)です。派遣先に直接連絡する必要はありません。派遣元に退職の意思を伝えれば、派遣元が派遣先との調整を行ってくれます。退職代行を使う場合もこの流れは同じで、全て派遣元を通じて手続きが進みます。
派遣社員が退職代行を使えるケース
派遣社員の退職は契約形態によって状況が異なります。ケース別に解説します。
契約更新のタイミングで辞める場合
契約満了のタイミングで「更新しない」と伝えるのが最もスムーズな方法です。法的にも全く問題ありません。ただし、「更新しないと言い出せない」「派遣元の担当者に圧力をかけられている」という場合には、退職代行を使う意味は十分にあります。契約更新の意思確認は通常、契約満了の1ヶ月前に行われるため、そのタイミングに合わせて退職代行に相談するのがベストです。
契約期間中に辞めたい場合
これが少し厄介なケースです。派遣社員は有期雇用契約であるため、原則として契約期間中は辞められません。しかし以下の場合は例外として認められます。
- やむを得ない事由がある:パワハラ、体調不良、家族の介護など
- 契約開始から1年以上経過:労働基準法附則137条により、いつでも退職可能
- 派遣元が同意した場合:実際には退職代行が入った時点で同意するケースが大半
実務上は、退職代行から連絡が来た時点で派遣元が退職を認めるケースがほとんどです。無理に引き留めても本人のモチベーションが上がらず、派遣先にも迷惑がかかるためです。
無期雇用派遣の場合
「無期雇用派遣」(派遣元と期間の定めがない雇用契約を結んでいるケース)の場合は、正社員と同じく2週間前に通知すれば退職できます。退職代行の利用もスムーズに進みます。
派遣社員の退職代行の流れ
派遣社員が退職代行を使う場合の具体的な流れを紹介します。
- 退職代行に相談(派遣社員であることを伝える)
- 退職代行が派遣元(派遣会社)に連絡する
- 派遣元が派遣先との調整を行う
- 退職届を派遣元に郵送する
- 貸与品の返却(派遣先のものは派遣元経由で返却)
- 退職完了
ポイントは、全てのやり取りが派遣元を通じて行われるということです。派遣先に直接連絡する必要は一切ありません。
派遣社員におすすめの退職代行
派遣社員の退職に対応実績があるおすすめサービスを紹介します。
退職代行ガーディアン
労働組合型で派遣社員の対応実績があります。有期雇用でも状況に応じた柔軟な対応をしてくれます。料金は29,800円。法適合の労働組合が運営しているため、交渉力も十分です。
退職代行SARABA
労働組合型で24,000円。派遣社員の退職にも対応しています。24時間相談可能なので、まずは自分のケースが対応可能か気軽に聞いてみましょう。返金保証もあるため安心です。
弁護士法人みやび
派遣社員で契約期間中の退職を考えている場合に、法的リスクが気になるなら弁護士型が最も安心です。有期雇用の途中退職に関する法的アドバイスもしてくれるため、不安を解消した上で退職に臨めます。料金は55,000円〜です。

派遣社員が退職代行を使う時の注意点
派遣社員特有の注意点を4つ解説します。事前に把握しておくことでトラブルを防げます。
有期雇用の途中退職は「やむを得ない事由」が原則必要
契約期間中の退職には原則「やむを得ない事由」が必要です。ただし実務上は、退職代行から連絡が来た時点で派遣元が認めるケースがほとんどです。元労務担当として見てきた限り、派遣元が退職を強硬に拒否したケースはありませんでした。モチベーションのない人を無理に派遣し続けても、双方にメリットがないからです。
退職代行の費用は自己負担
退職代行の費用は派遣社員本人の負担です。派遣元が負担してくれるわけではありません。費用を抑えたいなら、労働組合型の24,000円クラスがおすすめです。
派遣先への挨拶は不要
退職代行を使えば、派遣先に挨拶に行く必要はありません。派遣元から派遣先に連絡してもらえます。私物が派遣先にある場合は、郵送で返却してもらえるよう手配してもらいましょう。
次の派遣先への影響はほぼなし
退職代行を使って辞めたことが次の派遣会社での就業に影響するか心配する方もいますが、基本的には影響しません。派遣会社間で退職理由を共有することはほぼないからです。ただし、同じ派遣会社で別の派遣先を紹介してもらうのは難しくなる可能性があります。その場合はハローワークや別の派遣会社に登録すれば問題ありません。
派遣社員が退職で使える制度
派遣社員も利用できる各種制度を紹介します。
失業保険
派遣社員でも雇用保険に加入していれば失業保険の対象になります。契約満了での退職なら「会社都合」扱いになるケースもあり、すぐに受給が開始される可能性があります。離職票が届いたらハローワークで確認しましょう。
有給休暇
派遣社員にも有給休暇は付与されます。厚生労働省のガイドラインでも派遣労働者の有給休暇の権利は明確にされています。退職前に有給が残っているなら、労働組合型の退職代行で消化交渉してもらいましょう。
健康保険の任意継続
派遣元の社会保険に加入していた場合、退職後2年間は任意継続できます。国民健康保険と保険料を比較して、安い方を選ぶのが賢い方法です。
派遣社員の退職代行でよくある質問
派遣社員の方からよく寄せられる質問にお答えします。
契約期間が残っているけれど辞められる?
実務上はほぼ辞められます。法的には「やむを得ない事由」が必要ですが、退職代行が入った時点で派遣元が同意するのが一般的です。
派遣先から直接連絡が来たらどうする?
対応する義務はありません。退職代行から「本人への直接連絡は控えてください」と伝えてもらっているはずですので、無視して問題ありません。しつこい場合は退職代行に連絡しましょう。
損害賠償を請求されることはある?
派遣社員が契約途中で辞めたことを理由に損害賠償が認められるケースは極めてまれです。不安な場合は弁護士型の退職代行を選んでおけば安心です。

まとめ:派遣でも退職代行は味方になる
派遣社員の退職代行についてまとめます。
- 派遣社員でも退職代行は問題なく利用できる
- 連絡先は派遣元(派遣会社)。派遣先への連絡は不要
- 有期雇用の途中退職でも、実務上はほぼ認められる
- 有給消化の交渉は労働組合型で
- 次の就業先への影響はほぼなし
派遣だから我慢しなければいけないということは絶対にありません。退職は全ての労働者の権利です。辛い環境から抜け出したいなら、退職代行の無料相談を活用してみてください。

